こんにちは、ひょう丸です。
今回は私ひょう丸のしくじり体験談の第二話「エルピーダメモリ」編を赤裸々に公開します。
先に結論をお伝えします。
2011年に逆張りで購入したエルピーダメモリの株が、わずか半年後に
会社更生法(実質倒産)の適用を受け、投資元本57,100円が事実上の紙くずになりました。
倒産発覚後も売却できず、最終損益は▲57,100円(全損)です。
補足しておくと、エルピーダメモリが倒産したのが悪いわけではありません。
株式への投資は、発行元の倒産リスクを受け入れた上で、
リターンを期待して資金を投下するものであり、すべて自己責任です。
しかし、倒産発覚後にどう行動すべきかを知らなかったことで、
損失を最小化できたはずの機会を完全に逃しました。 これを読んでいる皆さんは、
私の屍を乗り越えて同じ失敗をしないようにしてください。
この記事でわかること
- エルピーダメモリとはどんな会社で、なぜ倒産したのか
- ひょう丸が逆張りで投資した経緯と購入時のストーリー
- 倒産発覚後に茫然として「投げ売りできなかった」心理的メカニズム
- 上場廃止・倒産時に株はどうなるか(制度的な仕組み)
- 倒産発覚時に取るべき「正しい行動」とその判断基準
- この失敗がひょう丸の投資戦略を根本的に変えた理由
エルピーダメモリとはどんな会社だったか
エルピーダメモリは、当時の日本で唯一のDRAM(メモリ半導体)専業メーカーです。
2026年現在の感覚で言えば、キオクシアHD(旧東芝メモリ)のような会社を
イメージしてもらうと近いかもしれません。
もともとはNECと日立のDRAM部門が統合して誕生した国策的な企業で、
2009年には経営危機に陥り、政府から300億円の公的資金を注入された経緯がありました。
【エルピーダメモリの略歴】
1999年:NECと日立のDRAM部門が統合して設立
2009年:経営危機→政府・銀行から公的資金300億円注入
2011年:ひょう丸が株を購入
2012年2月:会社更生法の申請(実質倒産)
2013年:米マイクロン・テクノロジーが買収
DRAM市場は韓国のサムスン・SKハイニックスとの激しいコスト競争の場であり、
価格が市況によって大きく変動する特性があります。2012年当時、DRAM価格の低迷が
深刻化しており、エルピーダは膨大な設備投資の負債を抱えたまま追い詰められていきました。
出会い:「最悪期は脱した」という逆張りの論理
当時のひょう丸は「ダイヤモンドZai」という投資雑誌を銘柄探しの参考にしていました。
エルピーダメモリは当時の記事で紹介されていた記憶があります
(記憶が曖昧な点はご容赦ください)。
エルピーダメモリを購入したときの「ストーリー」は以下の通りでした。
【当時の購入ストーリー(ひょう丸の頭の中)】
・日本で唯一のメモリメーカー(希少性・国策的な存在)
・公的資金を注入されたが、最悪期は脱した
・最悪期を乗り越えたなら、これから成長と共に株価が上がっていく
→ 「逆張り・割安買い」の判断でエントリー
Excelのポートフォリオ記録を確認すると、2011年9月末に初めて記載が登場しているため、
2011年6月〜9月のどこかで購入したと考えられます。
購入価格:571円 × 100株 = 投資元本57,100円
振り返ると、このストーリーには複数の致命的な問題がありました。
しかし当時の私には、それに気づけませんでした。
別れは突然に:会社更生法の適用という衝撃
2012年2月のある日、「エルピーダメモリが会社更生法を申請」というニュースを目にしました。
「会社更生法…これはつまり倒産ということだよな」
証券口座を確認すると、株価が170円台にまで暴落していました。
【会社更生法発表当日の状況(推定)】
購入価格:571円
発表翌日の株価:約170円台
含み損:約▲40,100円(購入時比▲70%)
→ 「これは…どうすればいいんだ」
当時のひょう丸には、この状態でどう行動すべきかまったくわからなかった
正直に言います。茫然としていました。 「倒産」というニュースを見てから、
自分がどう行動すべきかを判断する知識も経験も、当時の私にはありませんでした。
翌日になると、株価はさらに下がって120円台になっていました。
「もうこれはどうにもならないんだ。これが”株券が紙くずになる”ということか。」
そう悟って、諦めて試合終了としてしまいました。
今思えば、これが最大の失敗でした。
エルピーダメモリとのメモリ(思い出)を記録から辿る
Excelのポートフォリオ記録から当時の状況を確認できます。
| 時期 | 時価 | 損益 |
|---|---|---|
| 2011年9月末 | 49,600円 | ▲7,500円 |
| 2011年12月末 | 37,800円 | ▲19,300円 |
| 2012年3月末 | 0円 | ▲57,100円(全損) |
購入直後から含み損が発生しており、逆張りエントリー時点で「最悪期を脱した」
という判断自体が間違っていたことがデータからも明確です。
【損失の推移まとめ】
エントリー時から含み益になった時期:おそらくゼロ
最終損失:▲57,100円(投資元本の全損)
保有期間:約半年
株式の倒産・上場廃止時に何が起きるのか【重要な知識】
この失敗を通じて、「企業が倒産した場合に株式はどうなるのか」という基礎知識が不可欠
だと痛感しました。これは株式投資を始める全員が事前に知っておくべきことです。
会社更生法・民事再生法の違い
| 手続き | 内容 | 株式への影響 |
|---|---|---|
| 会社更生法 | 法的管理のもとで会社を再建する手続き。経営陣が変わる | 株式は事実上ほぼ無価値になるケースが多い |
| 民事再生法 | 現経営陣のもとで再建を目指す手続き | 株式が一定の価値を維持するケースもある |
| 破産 | 会社を清算・解散する手続き | 株式は完全に無価値になる |
⚠️ 会社更生法の申請イコール即上場廃止ではありません。
エルピーダメモリは申請後も一定期間、市場で株式の売買が可能でした。
この「まだ売れる猶予期間」に行動できたかどうかが、最終的な損失額を大きく左右します。
上場廃止までの一般的なスケジュール
【会社更生法申請後の上場廃止までの流れ(一般的)】
会社更生法の申請
↓(申請翌日)
「監理銘柄」に指定(売買は可能)
↓(約1か月後)
「整理銘柄」に指定(売買はこの間のみ可能・最後のチャンス)
↓(指定から5〜10営業日後)
上場廃止→以降は売買不可
→ 上場廃止までの間は少額でも売却可能
→ この期間に「投げ売り」して損失を最小化することが重要
倒産発覚時に「正しい行動」は何か
今だからわかることを正直にお伝えします。
正しい行動:発覚後すぐに「投げ売り」する
【エルピーダの場合の行動の比較】
❌ 実際のひょう丸の行動:
茫然として様子を見る → 株価がさらに下落 → 諦めて放置 → 上場廃止で全損
✅ 正しかった行動:
会社更生法申請の翌日(170円台)に成行で全株売却
→ 約17,000円で売却(▲40,100円の損失確定)
→ しかし全損(▲57,100円)より約17,000円を救済できた
→「17,000円しか戻らない」ではなく
「17,000円だけ救える・損失を17,000円減らせる」という発想の転換
なぜ投げ売りできなかったのか?心理的メカニズム
当時の私が投げ売りできなかった理由は3つです。
理由①:損失を確定させることへの心理的抵抗(プロスペクト理論)
170円で売却すると▲40,100円の損失が確定します。「確定させなければまだ終わっていない」
という錯覚が行動を止めました。しかし損失は売却しようとしまいとすでに発生しています。
理由②:会社更生法の意味と影響を正確に理解していなかった
「会社更生法=即座に株式が無価値になる」と誤解していたため、「もう終わりだ」と諦めて
しまいました。実際には上場廃止まで売買できる期間があることを知っていれば、行動できました。
理由③:「どうすべきか」の判断基準を事前に持っていなかった
エントリー時に「ここまで下がったら売る」「こういう悪材料が出たら売る」
という損切りルールを設定していませんでした。
✅ 倒産・会社更生法の発覚時の正しい行動:「値段にこだわらず、翌日の寄り付きで成行売り」が最善の選択肢です。 完璧な価格で売ることより、少しでも損失を減らすことを最優先に考えましょう。
しくじりポイントの深掘り
しくじり①:企業分析が甘かった
購入時のストーリー「最悪期を脱した逆張り投資」には、以下の重大な見落としがありました。
【当時の分析に欠けていた視点】
・DRAM市場の構造的な問題(韓国勢との価格競争に勝てる根拠は?)
・公的資金を注入されても根本的な競争力は改善されていない
・膨大な設備投資の負債を抱えたまま市況が回復しなければ詰む
・「最悪期を脱した」と判断する根拠が薄い(希望的観測)
→「逆張り」と「投機」の区別がついていなかった
教訓:「最悪期を脱した」という判断は、その根拠を具体的に説明できなければ機能しません。
「なぜ今が買い時なのか」を自分の言葉で5分間説明できない銘柄には投資しないことが鉄則です。
しくじり②:悪材料発生時の行動ルールがなかった
倒産というのは確かに極端な例ですが、業績悪化・不正発覚・経営陣の交代など、
買ったときのストーリーが崩れるサインが出た時点で売却を検討するルールを
事前に決めていれば、損失を最小化できました。
教訓:エントリー前に「このニュースが出たら売る」というルールを必ず決めておく。
感情が入り込む前にシステムで対処できる状態を作ることが、大きな損失を防ぐ唯一の方法です。
この失敗がひょう丸の投資戦略を根本から変えた
この失敗は金銭的な痛みより、「株式が本当に紙くずになる」という体験の衝撃が大きく、
その後の投資戦略を根本的に見直すきっかけになりました。
戦略変更①:投資対象を大型株中心にシフト
エルピーダメモリ事件以降、時価総額の大きな大型株(プライム市場の主要銘柄)中心の投資
にシフトしました。
【大型株を選ぶ理由】
・経営が一定以上の安定性を持っている
・情報が豊富で業績予測がしやすい
・流動性が高く、悪材料時に売りやすい
・「いきなり倒産」するリスクがはるかに低い
→ トヨタ・NTT・三菱UFJ等の大型株は
「万が一のときに真っ先に国が助ける」レベルの存在
戦略変更②:インカムゲイン(配当)重視にシフト
「安定して配当を払える企業は、安定したキャッシュフローを生み出せている証拠」という考えから、配当利回りの高い銘柄を優先する投資スタイルにシフトしました。
【配当重視に切り替えた理由】
配当を長期間・継続的に支払える企業の条件:
→ 毎年安定した利益を出し続けている
→ 財務が健全で借入過多でない
→ 事業に強固な競争優位性がある
→ エルピーダメモリのような「赤字続き・多額の負債」の企業には
そもそも配当が出ない・または出せない
→ 「配当あり」がスクリーニングの最低条件になった
✅ 「無配当企業・減配傾向の企業は投資対象にしない」というシンプルなルールを設けるだけで、
倒産リスクの高い企業をかなりの確率で回避できます。
戦略変更③:買いのストーリーと売りのルールを事前に設定する
エントリー前に「なぜ買うのか(ストーリー)」と「何があったら売るのか(ルール)」
の両方を明文化する習慣ができました。
【エントリー前に決めること(現在のひょう丸)】
買いのストーリー:「この企業のここが良い。期間は○年以上を想定」
売りのルール:「以下の事態が発生したら売却を検討する」
・業績が○期連続で悪化した場合
・減配・無配転落した場合
・経営陣の不祥事・不正が発覚した場合
・買ったときのストーリーが崩れたと判断した場合
上場廃止・倒産リスクを避けるための投資家の心得
この失敗から学んだ、「倒産リスクを最小化する」ための実践的な基準をまとめます。
| チェック項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 過去数年間の黒字継続 | 決算資料・証券会社のスクリーニング |
| 配当の継続・安定性 | 配当履歴(減配・無配がないか) |
| 自己資本比率が30%以上 | 貸借対照表・証券会社の銘柄情報 |
| プライム市場の大型株 | 時価総額・市場区分の確認 |
| 業界に構造的な問題がないか | 業界ニュース・競合他社の動向 |
💡 楽天証券・SBI証券のスクリーニングツールで「配当利回り3%以上・プライム市場
・自己資本比率30%以上」の条件で絞り込むだけで、倒産リスクの高い銘柄を大幅に排除できます。
まとめ|57,100円の全損が教えてくれた3つの投資の真実
| 教訓 | 具体的な行動指針 |
|---|---|
| 倒産リスクは「知識」で大幅に軽減できる | 配当継続・大型株・自己資本比率をスクリーニング条件に |
| 倒産発覚時は「すぐに投げ売り」が正解 | 翌日の寄り付きで成行売り。価格にこだわらない |
| 買いのストーリーと売りのルールを事前に設定する | エントリー前に文書化する習慣をつける |
上場企業が倒産するのは確かに「よっぽどのこと」です。
しかし「よっぽどのこと」は現実に起きます。私は57,100円の授業料を払ってそれを学びました。
この記事を読んだ皆さんは、ゼロ円でその知識を得られます。
ぜひ、私の失敗を役立ててください。
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※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。株式投資は元本保証のない投資です。取引は自己責任でお願いします。記事中の数値は記憶ベースの概算であり、実際と異なる場合があります。


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