【投資歴19年のしくじり体験談③】豪ドルFXでロスカット40万円損失|リーマンショックが暴いた「ポートフォリオ設計の歪み」という本当の失敗

心を鍛える

こんにちは、ひょう丸です。

今回は私ひょう丸のしくじり体験談の第三話「豪ドルFX」編を赤裸々に公開します。

先に結論をお伝えします。

2008年のリーマンショックによる「有事の円買い」で豪ドルが急落。高レバレッジで
保有していた豪ドルのFXポジションがロスカットを受け、約40万円の損失が確定しました。

しかし、今だから言えることがあります。

このFXのしくじりは、リーマンショックが引き金を引いただけです。ロスカットという
結末は、ポートフォリオ設計が歪であった時点で、いずれ必ず起きていたことでした。

この記事を通じて「ロスカットが怖い」「FXで失敗した」という方だけでなく、
「自分のポートフォリオが特定のリスクに集中していないか」を点検するきっかけ
にしていただければ幸いです。

この記事でわかること

  • リーマンショックとは何だったのか(幕の内弁当のたとえで解説)
  • リーマンショック発生時のひょう丸のポートフォリオの全体像
  • 「楽観視」という最も危険な心理状態に陥った経緯
  • ロスカットが発生するまでの心理変化の実態
  • 「ロスカットはいずれ起きていた」と言える理由(ポートフォリオ設計の歪み)
  • 有事の円買いとはどういう現象か
  • この失敗から導き出した具体的な改善策
  1. そもそもリーマンショックとは何だったのか|幕の内弁当で理解する
  2. リーマンショック発生時のひょう丸のポートフォリオ
  3. 「有事の円買い」とは何か|なぜ危機のときに円が上がるのか
    1. なぜ金融危機で円高になるのか?
    2. なぜ円が「安全資産」と見なされるのか?
  4. FXのしくじりの詳細|楽観視という最も危険な心理状態
    1. なぜ「楽観視」できたのか?心理的メカニズムを解明する
      1. 理由①:損失を認めたくない(損失回避バイアス)
      2. 理由②:調べなかった(情報収集の怠慢)
      3. 理由③:レバレッジの「ゆがんだ安心感」
  5. ロスカットが発生するまでの経緯
  6. 「いずれロスカットは起きていた」と言える理由
    1. ポートフォリオ全体が「円高」という一つのリスクに集中していた
    2. FXはレバレッジで「ロスカット」という仕組みが存在する
  7. しくじりポイントの深掘り
    1. しくじり①:「オーストラリアは大丈夫」という根拠のない楽観視
    2. しくじり②:損切りルールをエントリー前に設定していなかった
    3. しくじり③:ポートフォリオ全体のリスク集中に気づいていなかった
  8. この失敗がもたらした投資戦略の転換
    1. 改善①:「リスクの種類」で分散を評価するようになった
    2. 改善②:FXのエントリーには必ず逆指値注文をセットするようになった
    3. 改善③:「楽観視」を発見したら即座に反証を探すようになった
  9. リーマンショック後の相場回復と「持ち続けた場合の結末」
  10. まとめ|リーマンショックが暴いた「ポートフォリオ設計の歪み」
  11. 関連記事|しくじり体験談シリーズ
  12. 合わせて読みたい

そもそもリーマンショックとは何だったのか|幕の内弁当で理解する

リーマンショックを調べると、以下のような単語で埋め尽くされた説明が出てきます。

  • サブプライムローン
  • リーマン・ブラザーズ
  • 金融危機

「これらの単語の意味がわからないから、そもそも説明が理解できない」という方がほとんど
だと思います。ここでは小学生でもわかるように、幕の内弁当を例に説明します。

とある弁当屋さんが幕の内弁当を売り出していましたが、
ある日、幕の内弁当のおかずの一つが腐っていることがわかりました。
そうなると、お客さんはその幕の内弁当全体が腐っているのでは?と不安になり、
その後、その幕の内弁当を売っていたリーマン弁当屋が倒産するとますます不安になり、
弁当業界が大混乱
に陥りました。

幕の内弁当のたとえ実際の金融用語
腐ったおかずサブプライムローン(信用力の低い人向けの住宅ローン)
リーマン弁当屋リーマン・ブラザーズ(米国の大手投資銀行)
弁当業界の大混乱金融危機(世界の金融システム全体への信用不安)

つまり、サブプライムローンという問題のある商品を大量に扱っていた銀行
(リーマン・ブラザーズ)が倒産したため、「他の銀行・証券・保険も大丈夫なのか?」
とみんなが不安になって世界中が大混乱したのがリーマンショックです。

(「株価が下がってサラリーマンがショックを受けたからリーマンショック」ではないのです。)

リーマンショック発生時のひょう丸のポートフォリオ

過去のExcelのポートフォリオ記録を振り返ると、最も古いもので2008年10月時点の情報が
わずかに残っていました。

【2008年10月時点のアセットアロケーション】
円預金:55%(生活防衛資金を含む)
外貨預金:26%
外貨債券・外貨MMF:13%
FX:4%
株式:1%(日本一のハンバーガーチェーンのみ)
投資信託:1%

今から振り返ると、資産運用を始めて約1年のポートフォリオとして「かわいい」配分に見えます。
しかしここに致命的な問題があります。 このポートフォリオを俯瞰すると、あることに気づきます。

【ポートフォリオの歪みの正体】
外貨預金(26%):NZドル中心 → 為替リスクあり
外貨債券・外貨MMF(13%):高金利通貨建て → 為替リスクあり
FX(4%):豪ドル → 為替リスクあり

→ 投資資産全体の大半が「外貨(高金利通貨)への集中」という
  同一リスクにさらされていた

→ 「円高が進む」という一つの出来事で
  ポートフォリオ全体が一斉に打撃を受ける構造だった

これが「ポートフォリオ設計の歪み」の正体です。

各商品を別々に見ると「外貨預金・外国債券・FX」と多様に見えますが、
実態は「全部が円高に弱い高金利通貨への集中投資」でした。
これがリーマンショック以前から存在していた根本的な問題です。

「有事の円買い」とは何か|なぜ危機のときに円が上がるのか

リーマンショックで発生した「有事の円買い」を理解することが、
この失敗の本質を理解するために重要です。

なぜ金融危機で円高になるのか?

【有事の円買いが発生するメカニズム】
リーマンショック発生(世界的な金融危機)
  ↓
投資家がリスク資産(株・高金利通貨・新興国資産等)を一斉に売却
  ↓
「安全な資産に逃避」する動きが起きる
  ↓
日本円(安全資産と見なされている)に需要が集中
  ↓
急速な円高進行

なぜ円が「安全資産」と見なされるのか?

理由内容
世界最大の対外純資産国日本は海外への投資・貸付が多く、危機時に資金が日本に還流しやすい
経常収支が黒字慢性的な黒字により円の需要が安定している
低インフレ・低金利通貨の価値が安定している

💡 「安全資産への逃避」の動きは、リーマンショックに限らず大きな金融危機や地政学的
 リスクが高まるたびに繰り返されます。 コロナショック(2020年)でも瞬間的な円高が
 起きており、この構造は現在も変わりません。

FXのしくじりの詳細|楽観視という最も危険な心理状態

FX(豪ドル)のポジションは、2008年10月時点で既に20万円の含み損を抱えていました。
当時のひょう丸の頭の中はこうでした。

「リーマンショックの影響は欧米の金融機関が中心だ。
オーストラリアはほとんど影響しないはずだ。豪ドルは大丈夫だろう。」

今思えば、この楽観視がすべての元凶でした。

なぜ「楽観視」できたのか?心理的メカニズムを解明する

理由①:損失を認めたくない(損失回避バイアス)

既に20万円の含み損が発生していました。「ここで撤退すると20万円の損失が確定する」
という心理的抵抗が、合理的な判断を妨げていました。

【損失回避バイアスが起こす行動】
含み損20万円が発生
  ↓
「売れば損が確定する」という強い心理的抵抗
  ↓
「まだ戻るかもしれない」という希望的観測が生まれる
  ↓
「オーストラリアは大丈夫なはず」という根拠のない楽観論で自分を納得させる
  ↓
損切りできないまま事態が悪化する

理由②:調べなかった(情報収集の怠慢)

「影響しないだろう」と思っただけで、実際にオーストラリアの経済状況・政策金利の見通し
・為替アナリストの見解を調べていませんでした。

【当時調べれば確認できた事実】
・オーストラリアは資源輸出国として中国との関連が深く
  世界経済の減速が資源価格の下落を通じて影響する
・リスクオフ局面では高金利通貨(豪ドル含む)は売られやすい
・オーストラリア準備銀行が利下げ局面に入る可能性が高かった

理由③:レバレッジの「ゆがんだ安心感」

FXのレバレッジにより、実際の取引金額は証拠金より大きくなっています。
「まだ証拠金はある」という感覚が「まだ大丈夫」という錯覚を生みました。
しかしロスカットは証拠金が枯渇したときに容赦なく発動します。

ロスカットが発生するまでの経緯

2008年10月から含み損を抱えながら保有を継続していましたが、
その後の豪ドルは回復せず、さらに下落が続きました。

【リーマンショック前後の豪ドル/円の推移(概算)】
2008年前半:約100円台
リーマンショック後(2008年10月頃):約70〜80円台
その後の最安値:約55円台

→ 高値から約半値以下まで下落

ロスカットが発動した瞬間のことは、今でも覚えています。

FX口座から約定通知メールが届き、保有していた豪ドルのポジションが消えていました。
「あ、ロスカットされたんだ」という感覚は、怒りでも悲しみでもなく、ある種の諦めでした。

【ロスカット時の状況(概算)】
FX口座に預けていた証拠金がほぼゼロに
確定損失:約40万円
感情:「やはりそうなったか」という虚無感

⚠️ 「ロスカットは投資家を守る仕組み」という説明は正しいですが、そのロスカット水準まで
 含み損を拡大させてしまった時点で、すでに大きな失敗をしています。 ロスカットは
 「最悪の事態を防ぐ最後の砦」であって「それに頼ってよい仕組み」ではないのです。

「いずれロスカットは起きていた」と言える理由

冒頭で「リーマンショックが引き金を引いただけで、
いずれ顕在化しうるしくじりだった」と述べました。その理由を説明します。

ポートフォリオ全体が「円高」という一つのリスクに集中していた

【ポートフォリオが「円高」に対してどれだけ脆弱だったか】
外貨預金(26%)→ 円高で円換算額が目減り
外貨債券・外貨MMF(13%)→ 円高で円換算額が目減り
FX豪ドル(4%)→ 円高でロスカットリスク上昇

投資資産全体の43%が「円高」というリスクに一方向にさらされていた

→ リーマンショックでなくても
  「円高」が起きれば同じダメージを受ける構造だった
→ 円高は歴史的に繰り返し起きている現象
→ このポートフォリオのままでは、いつか必ず同じことが起きた

FXはレバレッジで「ロスカット」という仕組みが存在する

外貨預金はいくら円高になっても「塩漬け」にして待てます(第一話のNZドルの経験)。
しかしFXはレバレッジがかかっており、証拠金が枯渇するとロスカットで強制終了になります。

外貨預金・外国債券・FXが同じ方向(高金利通貨への投資)に張り続けていた構造では、
大きな円高局面が来たとき、FXだけが最初にロスカットで終了するのは必然でした。

しくじりポイントの深掘り

しくじり①:「オーストラリアは大丈夫」という根拠のない楽観視

リーマンショックが欧米発だからといって、オーストラリアが無傷で済む根拠は何もありません
でした。「影響しないだろう」という思い込みを、一次情報で検証しなかったのが致命的でした。

教訓:「大丈夫だろう」と思ったら、必ず反対の証拠を探す。 「大丈夫な根拠」より
   「大丈夫でない根拠」を探す習慣が、楽観的バイアスへの最も効果的な対策です。

しくじり②:損切りルールをエントリー前に設定していなかった

FXポジションを建てるときに「ここまで下がったら損切りする」という
逆指値注文を設定していませんでした。

【逆指値注文があった場合のシミュレーション】
エントリー時に逆指値を10%下で設定した場合:
→ 損失は最大でも証拠金の一定割合で止まった
→ 40万円の損失の大半を防げた可能性がある

→ 感情が介入する前にシステムで損切りが実行される
  「感情が邪魔する前に逃げる」仕組みを事前に作ることの重要性

教訓:FXのエントリーと同時に逆指値(損切り注文)を必ず設定する。
   これはルールではなく「生存戦略」です。

しくじり③:ポートフォリオ全体のリスク集中に気づいていなかった

外貨預金・外国債券・FXを「別々の商品」として見ていたため、「分散している」という錯覚
がありました。しかし実態は「円高」という一つのリスクへの集中投資でした。

教訓:投資商品の名前ではなく「どのリスクにさらされているか」で分散を評価する。
   名前が違っても同じリスクを持つ商品を多数保有することは、分散にならない。

この失敗がもたらした投資戦略の転換

この失敗を経て、ポートフォリオの設計思想が根本から変わりました。

改善①:「リスクの種類」で分散を評価するようになった

【改善前のポートフォリオの考え方】
「外貨預金・外国債券・FXと3種類持っているから分散できている」

【改善後のポートフォリオの考え方】
「これらはすべて為替リスク(特に円高リスク)に弱い同一のリスク」
→ 円高・円安どちらでも影響を受けにくい商品を組み合わせる
→ 株式・債券・不動産・現金・外貨を「相関が低い」組み合わせで保有する

改善②:FXのエントリーには必ず逆指値注文をセットするようになった

【現在のFXエントリー時の必須ルール】
エントリーと同時に:
・損切りラインの逆指値注文を設定(感情が介入する前に自動執行)
・利確ラインの指値注文を設定(「利益が消える恐怖」を排除)
→ ポジションを持った瞬間から「出口が決まっている状態」にする

改善③:「楽観視」を発見したら即座に反証を探すようになった

「大丈夫だろう」という思考が頭をよぎったとき、即座に「なぜ大丈夫でないかの根拠」を
探す習慣を身につけました。反証を探しても見当たらないなら、そのときに初めて
「本当に大丈夫かもしれない」と判断します。

リーマンショック後の相場回復と「持ち続けた場合の結末」

補足として、もしロスカットされずに豪ドルポジションを持ち続けた場合、
どうなったかも見ておきます。

【豪ドル/円のその後の推移(概算)】
リーマンショック後の最安値:約55円台(2009年)
その後の回復:
  2010年:約80円台
  2012年:約85円台
  2013〜2015年:約90〜100円台
  2022〜:約90〜100円台

→ 回復まで約3〜5年かかった
→ ただし豪ドルFXはレバレッジがかかっているため
  「回復まで持ち続ける」こと自体が証拠金の追加入金なしには不可能だった

外貨預金(レバレッジなし)なら「塩漬けして回復を待てた」かもしれません。
 しかしFX(レバレッジあり)は証拠金が枯渇した時点で強制終了です。
 これがFXと外貨預金のリスク性質の根本的な違いです。

まとめ|リーマンショックが暴いた「ポートフォリオ設計の歪み」

失敗の本質具体的な内容
真の原因はリーマンショックではない外貨への集中投資というポートフォリオ設計の歪みが根本原因
楽観視という最も危険な心理状態根拠のない「大丈夫だろう」が損切りを妨げた
損切りルール未設定エントリー前の逆指値注文がなく、感情が判断を歪めた
分散の錯覚商品名は違っても同じリスクへの集中になっていた
改善後の行動リスクの種類で分散評価・エントリー時の逆指値設定・楽観視の反証探し

40万円という授業料は決して安くありませんでした。しかしこの失敗がなければ、
「ポートフォリオを商品の名前ではなくリスクの種類で評価する」
という発想は身についていなかった
と思います。

これを読んでいる皆さんは、今すぐ自分のポートフォリオを
「どのリスクにいくら晒されているか」という視点で確認してみてください。

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