こんにちは、ひょう丸です。
「含み益が出ているけど、そろそろ売った方がいい?それとも持ち続けるべき?」
含み益を抱えた長期投資家が最も悩む問いの一つです。
投資歴19年の私の結論を最初にお伝えします。
長期投資における利益確定の大原則は「含み益があっても売却しない」です。例外的に売却を検討するのは、①買ったときのストーリーが崩れた場合、②十分な含み益が発生してリバランスを行う場合、③お金が必要になった場合、この3つのケースだけです。
そして最も重要なことをお伝えします。
投資はお金を増やすために行います。しかしなぜ増やすのかと言えば、最終的には使うためです。お金が必要になったときに躊躇なく売却できることも、長期投資家として必要な姿勢です。
この記事では、利益確定の大原則とその理由、3つの売却ケースの具体的な判断基準、
そして利益確定時に知っておくべき税金の考え方まで解説します。
この記事でわかること
- 「含み益があっても売却しない」が大原則である理由
- ストーリー崩壊・十分な含み益・お金が必要という3つの売却ケースの判断基準
- 「十分な含み益」の目安をどう設定するか
- 売却する際に知っておくべき税金の計算方法
- 利益確定のよくある失敗パターンと対策
- 利益確定・税務管理に便利なおすすめ証券会社
長期投資の利益確定の大原則|含み益があっても売却しない
まず「なぜ含み益があっても売却しないのか」を理解することが、
長期投資の利益確定判断の土台になります。
長期投資の本質は「企業の成長に出資し続けること」
長期投資は「企業の成長に期待して出資し、その成長の果実を受け取り続けること」が本質です。
含み益が出ているということは、投資先企業が期待通りに成長している証拠です。
その成長が続く限り、売却することは「まだ成長途中のニワトリを手放す」行為に他なりません。
【複利の力を途中で手放すとどうなるか(利回り7%・元本100万円の例)】
10年後:197万円(+97万円)
20年後:387万円(+287万円)
30年後:761万円(+661万円)
→ 10年時点の含み益97万円で売却すると
その後の290万円以上の成長を取り逃がす
✅ 含み益での売却は「投資の旅を途中で降りること」です。
企業が成長し続ける限り、ポジションを保有し続けることが最大のリターンにつながります。
「利益確定したい」という心理の正体
含み益が出ると「早く確定させたい」という強い衝動が生まれます。これは「利得は早く確定させ、
損失は先延ばしにしたい」という人間の心理的特性(プロスペクト理論)によるものです。
この心理に素直に従うと、「利小損大」(小さい利益を早く確定し、大きな損失をズルズル
保有し続ける)というトレーダーにとって最悪のパターンに陥ります。
⚠️ 「早く利確したい」という衝動を感じたときこそ、「ストーリーは崩れていないか?」を冷静に確認してください。 衝動ではなくロジックで判断することが長期投資の鉄則です。
売却を検討するケース①:買ったときのストーリーが崩れた場合
利益が出ていても損失が出ていても、
「買ったときのストーリーが崩れたか」が売却判断の最重要基準です。
「ストーリーが崩れた」と判断する基準
| 判断基準 | 内容 |
|---|---|
| 事業の方向性が変わった | 買った理由の根幹となる事業が縮小・廃止された |
| 業績悪化が構造的になった | 2〜3期連続の売上・利益減少で回復の見通しが立たない |
| 不正・不祥事が発覚した | 粉飾決算・不正受給などで財務データへの信頼が失われた |
| 競争優位性が失われた | 強みとしていた技術・ブランド・シェアを競合に奪われた |
利益が出ているケースでの「ストーリー崩壊」は素直に売れる
損切りの場合と異なり、利益が出ている状態でのストーリー崩壊は心理的に売りやすい
のがメリットです。
「ストーリーが崩れた」と判断したら、含み益の大小にかかわらず利益確定の売却を行い、
より成長が期待できる銘柄へ資金を移すことを検討しましょう。
💡 迷ったときの判断基準:「今の状態のこの企業の株を、今の価格で改めて買いたいか?」
YESなら保有継続、NOなら売却を検討するのがひょう丸流の判断基準です。
売却を検討するケース②:十分な含み益が発生した場合
値上がり益(キャピタルゲイン)を目的として買った銘柄で、
十分な利益が得られた場合は利益確定を検討する余地があります。
「十分な含み益」の目安をどう設定するか
「十分」の基準は人によって異なりますが、以下の考え方が参考になります。
考え方①:買値からの上昇率で設定する
| 上昇率 | 判断の目安 |
|---|---|
| +30%未満 | まだ成長の途中。基本的には保有継続 |
| +50%〜+100% | 利益確定を検討する余地あり |
| +100%以上(買値の倍以上) | 当初のストーリーが十分達成された可能性あり |
ただしこれはあくまで目安です。+100%になっても「まだまだ成長する」と判断できるなら
保有継続が正解なケースも多いです。
考え方②:ポートフォリオ内での比率で設定する
特定銘柄の含み益が膨らみ、ポートフォリオ全体の30〜40%以上を占めるようになった場合は
リバランスのため一部売却を検討します。1銘柄への集中はリスクを高めるためです。
【集中リスクの具体例】
・5銘柄で20%ずつ保有していたが、1銘柄が急騰して50%を占めるようになった
→ 当初は分散投資だったが、いつの間にか集中投資になっている
→ その銘柄が急落すると、ポートフォリオ全体に大ダメージ
考え方③:配当銘柄は「利回り」の変化で判断する
高配当目的で買った銘柄の株価が大きく上昇すると、配当利回りが低下します。
【配当利回りの変化の例】
買値1,000円・年間配当50円 → 配当利回り5%(購入時)
株価が2,000円に上昇 → 配当利回り2.5%(現在)
→ 同じ資金で別の高配当銘柄(利回り4〜5%)に乗り換えた方が
インカムゲインの観点では合理的な判断になる場合がある
⚠️ 「充分な含み益」は保有継続でさらに大きくなる可能性もあります。 特別な理由がなければ
保有継続が基本。「売りたい衝動」と「ロジックに基づく判断」を区別することが重要です。
売却を検討するケース③:お金が必要になった場合【最も重要】
実はこのケースが長期投資家にとって最も現実的な売却理由です。
投資はお金を増やすために行います。しかしなぜ増やすのかと言えば、最終的には使うためです。使う必要があるときに躊躇なく売却できることも、長期投資家として大切な姿勢です。
お金が必要になる主なシーン
| シーン | 対応方針 |
|---|---|
| 子供の進学・教育資金 | ポートフォリオの中で相対的に魅力の低い銘柄から売却 |
| 住宅購入の頭金・諸費用 | 同上 |
| 老後資金として使い始める | 4%ルールに基づき計画的に取り崩す |
| より魅力的な投資先が見つかった | 相対的に魅力の低い銘柄を売却して資金を捻出 |
| 緊急の医療費・修繕費等 | 本来は生活防衛資金で対応が理想。不足分は最小限の売却で対応 |
「どの銘柄から売るか」の優先順位
複数銘柄を保有している場合、お金が必要になったときに「どれを売るか」は重要な判断です。
【売却優先順位の考え方】
売りやすい銘柄(先に売る):
✅ 値上がり益狙いで買ったが、今後の成長期待が薄れてきた銘柄
✅ 配当が少なく、保有し続けるメリットが薄い銘柄
✅ ポートフォリオ内での比率が高くなりすぎた銘柄
手放したくない銘柄(後回しにする):
🔒 高配当・連続増配を維持している優良ディフェンシブ銘柄
🔒 株主優待で生活に直結している銘柄
🔒 まだ成長ストーリーが続いている銘柄
✅ 「どれを売るか」はポートフォリオ全体の最適化の観点で判断することが重要です。 「この銘柄
が一番好き」という感情ではなく「今後のリターン期待とリスクのバランス」で冷静に選びましょう。
利益確定時に知っておくべき税金の考え方
利益確定を行う際には、税金の影響も必ず考慮に入れる必要があります。
売却益への課税
株式の売却益には約20.315%の税金がかかります
(特定口座・源泉徴収ありの場合は自動的に徴収)。
【利益確定時の手取り計算例】
買値100万円の株が200万円に値上がり → 含み益100万円
売却益100万円 × 20.315% = 税金約20万円
手取り:約80万円
→ 含み益100万円でも、手取りは約80万円
新NISA口座なら利益確定しても税金ゼロ
新NISA口座内で保有している株式を売却した場合、売却益は完全非課税です。
【新NISAの非課税効果】
通常口座での売却益100万円 → 税金約20万円 → 手取り約80万円
新NISA口座での売却益100万円 → 税金ゼロ → 手取り100万円
差額:約20万円
✅ 含み益の大きい銘柄は、できる限り新NISA口座で保有することが非課税効果を最大化します。
まだNISA口座を活用していない場合は、今すぐ証券会社で開設することをおすすめします。
利益確定と損出しを同年内に組み合わせる
同年内に利益確定(プラス)と損出し(マイナス)を行うことで、
課税対象となる利益を圧縮できます。
【損益通算の例】
売却益:50万円(税金:約10万円)
含み損銘柄の損出し:-20万円
通算後の課税対象:30万円(税金:約6万円)
節税額:約4万円
💡 年末に利益確定を予定している場合は、含み損銘柄の損出しと組み合わせることで税負担を
軽減できます。 損出し戦略の詳細については、損切りの考え方の記事をご参照ください。
→ 長期投資における損切りの考え方
利益確定でよくある失敗パターン5選
長期投資家が陥りやすい利益確定の失敗を5つ紹介します。
失敗①:少し上がるとすぐに利確して、大きな上昇を取り逃がす
「利益が消えてしまう前に確定しなければ」という心理から早期に利確するパターンです。
小さな利益を積み上げても、大きな含み損1回で帳消し以上になる「利小損大」の典型です。
対策:「ストーリーが崩れていないか」を確認した上で、崩れていなければ保有継続。
利確の衝動は「感情」と認識して一歩引く。
失敗②:株価が上がれば上がるほど「もっと上がるかも」と売れなくなる
+50%で売ろうと思っていたのに、+100%になったら「もっと上がるかも」と欲が出て
売れなくなるパターンです。その後急落して「あのときに売っておけばよかった」となります。
対策:事前に利確の目安(上昇率・金額・ポートフォリオ比率)を決めておく。
感情ではなくルールで動く。
失敗③:税金を考えずに利確して、手取りが想定より少なかった
「含み益100万円あるから、100万円手に入る」と思って売ったら、
税金で約20万円引かれて手取りが80万円だったというパターンです。
対策:新NISA口座の活用を優先する。課税口座で利確する場合は事前に手取り計算をする。
失敗④:お金が必要なのに「今は下がっているから売りたくない」と売れない
生活上の資金需要が発生しているのに、含み損が出ているからと売却をためらうパターンです。
対策:「投資は使うために増やすもの」という本質を常に意識する。
必要なお金のためには迷わず売却する。
失敗⑤:ポートフォリオ全体を見ずに「好きな銘柄から売らない」
感情で「この銘柄は売りたくない」と決めて、本来売るべき銘柄(成長性が低下した銘柄)を
残し続けるパターンです。
対策:定期的にポートフォリオ全体を見直し、「今の価格で改めて買いたいか?」
という基準で各銘柄を再評価する。
利益確定・税務管理に便利なおすすめ証券会社
利益確定を行う際に、年間の損益・税金・含み益が一目でわかる管理ツールの充実が重要です。
🥇 利益確定・税務管理に最もおすすめ:楽天証券
| 強み | 内容 |
|---|---|
| 損益管理ツール | 年間確定損益・含み益損をリアルタイムで一覧表示 |
| 売却手数料 | 国内株の売買手数料が完全無料(ゼロコース) |
| 新NISA対応 | 成長投資枠での個別株保有・利益確定が非課税 |
| 税務レポート | 年間取引報告書が自動作成。確定申告の準備が容易 |
| 損益通算の確認 | 売却益と損出しの損益通算状況をリアルタイムで確認可能 |
✅ 楽天証券は年間の確定損益を一目で把握できるため、「あといくら利確すれば損出しと相殺できるか」が即座にわかります。 年末の利益確定・損出しの組み合わせ戦略を実践しやすい環境です。
→ 楽天証券の評判・特徴を徹底解説
🥈 商品ラインナップと税務管理の両立なら:SBI証券
| 強み | 内容 |
|---|---|
| 損益管理 | 保有銘柄の取得価格・含み益損を一覧で確認可能 |
| 売却手数料 | 国内株の売買手数料が完全無料(ゼロ革命) |
| 新NISA対応 | 成長投資枠での個別株保有・非課税利確に完全対応 |
| 確定申告サポート | 特定口座の年間取引報告書が自動作成される |
✅ 楽天証券・SBI証券はどちらも口座開設・維持費が完全無料。
売買手数料も無料なため、利益確定・買い直しの際のコストを気にせず最適な判断ができます。
→ SBI証券の評判・特徴を徹底解説
利益確定の判断フローチャート
含み益が発生している
↓
Q1:買ったときのストーリーは崩れているか?
崩れている → 利益確定売却を検討
崩れていない → Q2へ
Q2:十分な含み益が発生したか?
(+50〜100%以上、またはポートフォリオの30%超を占める)
YES → 一部利確またはリバランスを検討
NO → Q3へ
Q3:現在お金が必要な状況か?
YES → 相対的に魅力の低い銘柄から売却して資金を捻出
NO → 保有継続が原則
【追加確認】
「今の価格でこの株を改めて買いたいか?」
YES → 保有継続
NO → 利益確定売却を検討
まとめ|長期投資の利益確定は「ロジック×目的」で判断する
| 場面 | 判断 |
|---|---|
| 含み益あり・ストーリー継続 | 売却しない。保有継続が大原則 |
| 含み益あり・ストーリー崩壊 | 利益確定売却を検討 |
| 含み益あり・十分な上昇率(+50〜100%以上) | 一部利確またはリバランスを検討 |
| 含み益あり・1銘柄がポートフォリオの30%超 | リバランスのため一部売却を検討 |
| お金が必要になった | 相対的に魅力の低い銘柄から売却 |
| 新NISA口座内での利確 | 非課税。積極的に活用する |
| 早く利確したいという衝動 | 「感情」と認識して冷静に判断し直す |
長期投資における利益確定は、「感情(早く確定させたい)」ではなく
「ロジック(ストーリーが崩れたか)」と「目的(お金が必要か)」で判断することが成功の鍵です。
「投資は使うために増やすもの」という本質を忘れずに、
必要なときに必要な金額だけ利確することが、長期投資家として最も合理的な姿勢です。
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※本記事は情報提供を目的としており、特定の商品・サービスへの投資を推奨するものではありません。株式投資は元本保証のない投資です。取引は自己責任でお願いします。税制等の情報は執筆時点のものであり、今後変更される可能性があります。


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